アンティークの婚約指輪は、ふたりの物語が始まる前から、すでに物語を持っている指輪です。ダイヤモンドは100年以上前に職人の手でカットされ、台座はロンドンやパリ、バーミンガムの工房で作られ、誰かに大切に身に着けられてきました。新品のソリテールでは物足りない、もっと特別な一本を、という日本のカップルにとって、イギリスやヨーロッパのアンティーク 婚約指輪は、これ以上ないほど意味のある選択です。この記事では、ロンドンのディーラーである私たちが、選び方のポイント、オールドカットダイヤと現代のダイヤの違い、号サイズとサイズ直し、そしてイギリスから安心して直接買う方法をご紹介します。
アンティークとヴィンテージの違い
同じ意味で使われがちですが、業界ではアンティークは製作から100年以上、ヴィンテージはおおむね20〜100年前のものを指します。1910年のエドワーディアンのプラチナリングはアンティーク リング、1950年代のダイヤモンドのソリテールはヴィンテージ 指輪です。どちらも素晴らしい婚約指輪になります。大切なのは、年代が正直に説明されていることです。
ラボグロウンではなく、アンティークダイヤを選ぶ理由
ラボグロウン(合成)ダイヤモンドは化学的には本物のダイヤモンドで、価格も手頃です。けれども大量に生産され、リセール価値は低く、さらに下がり続けています。アンティークダイヤはその対極にあります。電灯もない時代に職人が一つひとつ手で磨いた石で、二度と同じものは作れず、新たに採掘する必要もありません。オールドカットの石はわずかに不揃いで、ファセットの表情もそれぞれ違います。アンティークの指輪を贈ることは、物語を贈ること。作られた街、生まれた時代、そして前に身に着けていた人々の物語です。それはどんな研究所にも作り出せません。
オールドカットダイヤモンドを知る
- ローズカット(Rose cut):底が平らで、上部が三角形のファセットでドーム状に盛り上がった、ほころびかけたバラのつぼみのような形。強い煌めきではなく、ろうそくの灯りのような柔らかな輝きが魅力で、ジョージアン以前のジュエリーに多く見られます。
- オールドマインカット(Old mine cut):クッション形で、クラウンが高く、テーブルが小さく、底のキューレットが大きく開いている(上から小さな円として見えることも)のが特徴。18〜19世紀に多く、ろうそくの光で輝くようにカットされました。
- オールドヨーロピアンカット(Old European cut):現代のラウンドブリリアントの前身となる丸いカット。19世紀後半からアールデコの時代まで好まれ、やはり高いクラウンと開いたキューレットを持ちます。
オールドカットのダイヤは、現代のダイヤとは評価の物差しが違います。魅力は完璧な対称性ではなく、大きく広がる光のきらめきと、一つひとつの個性。自然光と室内光の両方で撮った動画をディーラーに頼んでみてください。グレーディング表よりずっと多くのことが分かります。
時代別に見るアンティーク婚約指輪
| 時代(英語) | 年代 | 婚約指輪の特徴 |
|---|---|---|
| ジョージアン(Georgian) | 1714〜1837年 | ローズカットやオールドマインカットのクラスター。箔を敷いたクローズドバックの、銀張りの金の台座。クラウンドハートなどの愛の証 |
| ヴィクトリアン(Victorian) | 1837〜1901年 | スネークリング、ハーフエタニティ、クラスター、後期にはジプシーセッティング |
| エドワーディアン(Edwardian) | 1901〜1910年(1915年頃まで広く使われる) | プラチナ、ミルグレインの縁取り、繊細な透かし細工やガーランドのデザイン |
| アール・ヌーヴォー(Art Nouveau) | 1890〜1910年頃 | 流れるような有機的なデザイン |
| アールデコ(Art Deco) | 1920〜1935年頃 | 幾何学的なプラチナの台座、カリブレカットの色石 |
| ヴィンテージ(Vintage) | 1950〜2000年頃 | クラシックなソリテールやカクテルリング |


現在お取り扱い中の婚約指輪
- トワエモア ダイヤモンドリング(パリ、1910年頃):「トワエモア」は「あなたと私」。2つのオールドカットダイヤが寄り添うデザインです。
- ジョージアン ローズカットダイヤモンドのフラワークラスター(イギリス、1780年頃):18金に銀張りの台座。
- ジョージアン クラウンドハートリング(1740年頃):愛の証として贈られた、婚約指輪の先駆け。
- アール・ヌーヴォー オールドクッションカットダイヤのソリテール(パリ、1900年頃)。
- エドワーディアン プラチナ サファイア&ダイヤモンドリング(1910年頃)。
- ヴィクトリアン ダイヤモンド スネークリング(フランス、1870年頃):頭部にオールドマインカットのダイヤ。
- フランスのアールデコ 指輪(ルビー・ダイヤ・パール)(1920年頃)。
アンティーク&ヴィンテージの婚約指輪一覧のほか、アンティークのダイヤモンドリング、アールデコの指輪もご覧ください。
号サイズとサイズ直し
当店では、すべての指輪の商品ページに日本の号数を表示しています。お手持ちの指輪と直接比べていただけます。サイズが合わない場合は、可能な範囲で無料のサイズ直しを承ります。ただし、全周に石が留められたデザインや、腕が非常に繊細な指輪など、安全にサイズ直しができないアンティークもあり、その場合は正直にお伝えします。サイズ直しをした指輪は返品不可となりますのでご注意ください(それ以外の商品は30日以内の返品を受け付けています)。
証明書と付属書類
すべての指輪に、当店の真正証明書(Certificate of Authenticity)と、年代・素材・石・来歴をまとめた解説シートをお付けします。アンティークダイヤの多くは鑑定機関が存在する遥か前にカットされたもので、鑑定書が付いていないのが普通です。大切なのは、明確で正直な説明と、十分な写真や動画。ご購入前に、石や刻印のクローズアップ写真、自然光での動画をいつでもお送りします。
渡英できるなら、実物を見て選ぶ
イギリスへお越しになるなら、おすすめはロンドン郊外の蚤の市、ケンプトン(Sunbury Antiques Market:毎月第2・最終火曜日、700以上の出店、早朝6時30分からのアーリー入場は5ポンド、8時〜14時は無料)、土曜日のポートベロー・ロードの屋内アーケード、そしてメイフェアのグレイズ・アンティークス(58 Davies Street、月〜金 10:00〜18:00)。ショーディッチの当店ショールームでも、予約制で指輪をご覧いただけます。詳しくはイギリス・ロンドンでアンティークジュエリーを買う方法をどうぞ。
仲介を通さず、イギリスから直接買う
日本で販売されているアンティークの婚約指輪の多くは、買い付け業者や転売業者、ライブ配信の販売者がイギリスで仕入れたもので、その利益や渡航費が価格に上乗せされています。ヨーロッパのディーラーの多くが日本へ発送しないからこそ、その仲介が存在するのです。私たちは日本へ直接お届けします。サイト上の価格は日本円で表示され、クレジットカード、PayPal、Apple Pay、Google Pay、銀聯(UnionPay)でお支払いいただけます。
- ロンドンからの保険付き送料無料:£400を超えるご注文はDHL Express、それ未満は Royal Mail International Tracked。
- 正確な通関書類:正確な品目説明とHSコード、正直で正確な申告額、条件を満たす場合は日英EPAに基づく英国原産地申告、100年以上前の品は骨董品としての申告。
- 日本の輸入時の税金:個人輸入では、購入価格の60%に対して消費税10%(実質約6%)と配送業者の手数料を受け取り時にお支払いいただきます。課税価格1万円以下の荷物は免税。英国原産の金のジュエリーと100年以上前の骨董品は関税がかかりません。
- 関税・税金のご負担を軽くする値引き:特に高額な指輪について、お気軽にメールでご相談ください。
販売者情報は特定商取引法に基づく表記をご覧ください。
お問い合わせ
遠く離れた国で婚約指輪を選ぶのですから、まずはお話ししましょう。info@ravensburyantiques.com までメールをいただければ(英語でのやりとりになります)、喜んでお手伝いします。自然光での動画や着用イメージのご依頼、お好みのデザインやご予算を教えていただければ、マーケットで探しておきます。
よくある質問
アンティークのダイヤモンドリングは普段使いできますか?
適切にお手入れいただければ可能です。ダイヤモンドは硬く丈夫な石です。特別な日向きの指輪であれば、ご購入前にその旨をお伝えします。
オールドマインカットとオールドヨーロピアンカットの違いは?
オールドマインカットはクッション形でより古い時代のもの、オールドヨーロピアンカットは丸形でより新しく、現代のブリリアントカットの祖先です。どちらも高いクラウンと開いたキューレットを持ちます。
アンティークの婚約指輪を日本の号サイズに直せますか?
多くの場合可能で、できる範囲で無料で承ります。商品ページには号数を表示しています。サイズ直しをした指輪は返品不可です。
アンティーク 結婚指輪としても使えますか?
もちろんです。シンプルなアンティークの金のバンドやハーフエタニティは美しい結婚指輪になり、アンティークの婚約指輪と重ね付けするカップルも多くいらっしゃいます。